日本企業の利益剰余金が膨らみ続けており、現在390兆円3900億円と過去最高を更新、さらに膨張し続けている。理由は明白で、円安誘導政策により、輸出売上や海外利益が増加し続けているのに対し、国内設備投資や賃上げも最低レベルに据え置き、更に人件費削減のため、海外生産体制を強化していることに他ならない。ただこの構図は以前から指摘され続けてきたことで、昨日今日の事象では無い。政権与党が必死にトリクルダウンを謳い、日銀とタッグを組んで量的・質的異次元緩和をしても、結局は元の木阿弥シナリオに帰結しただけということである。大きい企業はより大きく強く、中小零細企業はより弱く、必死に頑張っても大手に潰されているのが現状でしょう。実際、好景気や人件費が上昇しているならば、なにゆえ個人や企業向けカードローン貸付残高が増加し続けているのでしょうか。
(一部ロイター)