自動変速機の波が乗用車に続き、商用車にも広がりを見せている。ここ最近商用車メーカーが相次いで投入した新型車では、機械式自動変速機(以下AMT)を前面に打ち出している。背景には今後実用化が見込まれる自動運転を視野に入れると、AMTは必須アイテムとなるからだ。AMTはMTをベースにギアの選択操作を自動化した変速機で、クラッチが不要になるので、乗用車のオートマチックトランスミッション(AT)のような運転が可能になる。ただ現実問題として、運転歴が長いドライバーほどマニュアルトランスミッション(MT)支持者が多い。それもそのはず初期のAMTでは、変速ショックや、こんなところでシフトアップするのかという、自分のシフトアップのタイミングとの相違で、敬遠されているケースが多かった。ただ現実に直面しているドライバーの高齢化、女性ドライバーの増加、他業種からの転職、そして近い将来訪れる自動運転支援システム普及に関して、変速機の自動化は避けて通れなくなってきている。それらを踏まえてメーカー各社は新型車の投入に合わせて変速制御を最適化、燃費効率を高めながらよりスムーズな変速を可能とした刷新を図っている。自動運転支援システムの前段階である、レーダー型クルーズコントロールは、今後商用トラック・バスには欠かせない必須アイテムになる可能性も有り、そういう意味でもやはり商用車の自動変速機は時代の流れになっていくと思われます。
(一部日刊自動車新聞より)