中古車を輸出する際に利用できる輸送手段は一般的にRORO船もしくはコンテナ船の2つの方法が考えられます。輸出先国、輸出する車両の台数、輸送コストなどを考慮して、最適な輸送モードを選択して中古車を輸出します。

 

RORO船

 RORO船とは、船首などにランプウェーを備え、自動車が自走して船内に格納できる船のことをいいます。RORO船のなかでも車両を効率よく輸送するために特別に開発された船のことをPCC (Pure Car Carrier) と呼ばれることもあります。RORO船のサービスがある国に中古車を輸出する場合は、特別な事情がない限り、RORO船で輸出するのが一般的です。

  

コンテナ船

 中古車の輸出ではRORO船がメインの輸送手段となりますが、 輸出先国へのRORO船のサービスがないなど特別な事情がある場合はコンテナに中古車を詰め込んで輸出することになります。40FTハイキューブコンテナに3~4台程度車両を詰めて船積することになります。RORO船だと1台ずつ輸出できますが、コンテナだと1度にまとまった台数を船積みする必要がありますので、バイヤーと打ち合わせしながら商談をすすめることになります。また、特別な高級車(例えばフェラーリの限定モデルなど)を輸出する場合は、輸送中におきるかもしれないキズや装備品の盗難などを防ぐために、20FTコンテナに1台積み込んで輸出することもあります。コンテナ船での船積みでは日本でコンテナのドアを閉めてロックしたあと輸入先のバイヤーがコンテナを開けるまで、第三者が中の車両に触ることはありませんので、高額車両を輸出する場合は輸送コストは割高になりますが、コンテナを選ぶことが最善の場合もあります。

  

その他の輸送方法

 日本海側ではロシアからきた材木船に材木を下ろした後の帰り荷として、中古車を積み込んで輸送する方法や韓国向けは大阪や下関から出ているフェリーを利用して輸出されるなど、他にも輸送方法はあります。バイヤーのリクエストに合わせて対応していくことになります。