財務省が1日に公表した2016年度の法人企業統計において、企業が得た利益から株主への配当などを差し引いた利益剰余金(除く金融業、保険業)は前年度よりも約28兆円多い406兆2348億円と、過去最高を更新したとのこと。日本の景気は回復基調を続けているが、企業の「内部留保」は積み上がり続けており、経常利益は同9.9%増の74兆9872億円で、比較可能な1960年度以降で過去最大に上った。16年度の前半は英国のEU離脱決定による円高・株安に陥ったが、その後は持ち直し、自動車やスマートフォン向け電子部品などの好調さが牽引する形で企業業績は回復。政府はため込んだ内部留保を設備投資や社員の賃金アップなどに使うよう求めているが、企業側は慎重な姿勢を一向に崩していない。16年度の設備投資額は42兆9380億円で、前年度比0.7%の微増に留まっている。第2次安倍政権が発足した12年度以降だけでも、企業の内部留保は約124兆円積み上がった形。同時に発表された今年4~6月期の企業の経常利益は前年同期比22.6%増の22兆3900億円で、国内の設備投資額は1.5%増の9兆4506億円のこれまた微増で推移した。異次元の金融緩和によって、特定の上場企業に補助金を付けている日銀のETF買い政策、大企業のみが恩恵を受け、中小零細企業には何の恩恵も無い、滴り落ちる滴が枯渇し続けている。個人に至っては、大手企業以外給料は上がらず、保険料、年金、教育資金だけが上がるという、忸怩たる思いを持つ国民が増加し続けているのが現状だ。それに呼応するように、銀行系カードローン残高が静かに静かに積み上がり続けている。。。
(一部朝日新聞デジタルより)