トヨタ自動車は、今回開発した新世代TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)パワートレインの搭載比率を2023年までに日米欧中で8割に拡大させ、CO2排出量を2015年比で18%以上削減すると発表しました。新開発したパワートレインは5種で、同社の世界戦略車「カローラ」を皮切りに順次投入していく。
新型CVT(無段変速機)は、発進用ギアを採用することで低速域の伝達効率を大幅に改善、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を含む全ての変速機の中で、世界最高の伝達効率を実現させた。トランスミッションの基本性能である、「伝達効率の向上」、「エンジン高効率領域の活用」、「高応答変速」を強化するためさらに、「機会損失低減」、「ワイドレンジ化」、「変速追従性向上」に取り組んだことで、ダイレクトでスムーズな走りを実現させた上に、現行のCVT比で6%の優れた燃費性能も実現させた。
新型6速マニュアルトランスミッションは、欧州や新興国向けニーズの下、質量を7Kg低減するとともに全長を24㎜短縮、世界トップレベルのコンパクトサイズに。またシフトチェンジ時に自動で回転数を合わせるiMT制御を採用することで、スムーズな変速をサポートするとともに、伝達効率を世界トップを実現させた。
新型In-Line4の2リッター直噴エンジンは、高速燃焼技術、可変制御システム、エネルギーロスの低減により世界トップレベルの熱効率40%(エンジン車)、41%(HV車)を実現、さらに従来型エンジンに比べて低回転から高回転までの全域でトルクアップを実現すると同時に、各国の排出ガス規制に先行して対応させている。
新型4WDシステム「Dynamic Torque Vectoring AWD」は、走行状況に応じてリアのトルクを左右独立で制御するトルコベクタリング機構を採用、旋回性能と悪路走破性を実現させた。また前後輪の車輪軸に世界初の「ラチェット式ドグクラッチ」を備えることで、2WD走行時に後輪に動力を伝える駆動系の回転を停止させて損失を大幅に低減、燃費向上を図る「ディスコネクト機構」を採用した。HV車に搭載する新型4WDシステム「E-Four」は、電気で駆動する後輪の全体トルクを従来型より3割増加、走行状態に応じて適切にトルクを配分する新制御システムを取り入れ、高い走破性と優れた操縦安定性を実現。
2リッターHV車用THS-IIは、4代目プリウスに採用された小型・軽量・低損失化技術を継承し、高い燃費性能をキープしたまま走行性能を向上させた。加速時にはエンジンの回転数を下げると同時に二次電池からの電力を高め、リニアで伸びのある加速感を実現させた。
(トヨタ自動車GlobalNews Roomより記事抜粋)