欧州のVWグループに続き排ガス不正疑惑を受けて独ダイムラーグループもDE(ディーゼルエンジン)車を対象に、大規模なサービスキャンペーンの実施に追い込まれた。同社からエンジン供給を受ける、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)やスズキも同様に排ガス不正を疑われている。VWグループの排ガス不正をきっかけに、各国当局がDE車に対して厳しい目を向けることにより、後処理装置のコスト負担が増加している。DE車の縮小が避けられない情勢の中、各社の技術開発の舵取りにも影響を及ぼし始めている。2015年に米国で発覚したVWの排ガス不正を発端にFCAも対象に、フランスではルノーが、オランダでは、FCAとスズキがそれぞれ当局の捜査を受けている。そんな中ダイムラー社はドイツ当局の捜査とは関係無いとしながら、自主的に排ガス浄化を目的としたサービスキャンペーンを実施する。2011年以降に販売した欧州規制「ユーロ5」「ユーロ6」に対応したメルセデス・ベンツのほぼ全てのDE車が対象で、その数は欧州だけでも300万台に上り、日本国内でも欧州と同様の対応を実施する予定となっている。また独アウディも21日、北米を除く全世界85万台を対象に無償修理実施を発表。欧州車を中心に次世代クリーンディーゼルエンジン車の開発が行われてきたが、今後は各メーカーのDE車開発の優先順位低下は避けて通れないとの見方が強い。そのような不正が横行する中で、独自のDE技術を確立したマツダ自動車には、天晴れと言うしかないでしょう。
(一部日刊自動車新聞より)