先月の東京商工リサーチで5月の負債額1000万円以上の企業倒産件数が834件と、前年同月比20.2%で23年ぶりの低水準となりました、とお聞きになった方も多いかと思います。当サイトで以前清算・廃業が増加する旨をレポートして、それを見た方から倒産件数は減少しているではないですか?と質問されましたが、倒産件数は減少したかもしれませんが、事業の廃業・清算・整理、個人事業主の破産は増加中となっているのが現状です。それらを見越して政府は、個人保証制度の見直し、銀行からの融資の際の補償会社による補償料、銀行の貸し渋りの受け皿となるノンバンクの貸金業法改正と、先手を打って対策を立ててきております。
中小企業金融円滑化法(通称モラトリアム法)が昨年3月に終了しましたが、それらを利用した企業は3~40万社と言われており、その中の20%前後は自主再建が困難と言われております。不良債権化が顕著になれば、特に手助けした地方銀行が苦慮するでしょうから、地銀の体力強化のためにも地方銀行の再編成がされる可能性が高いと思われます。いわゆるスーパー・リージョナルバンク構想というものが、いよいよ発動されるかもしれません。