2016年の自動車盗難認知件数は、1万1655件と前年比で15.7%減、2007年比では1/3まで減少したと警察庁の統計データで浮き彫りになりました。背景には官民の盗難車輸出対策はもちろん、駐車場の照度基準の改正や高性能防犯カメラの普及と解像技術の飛躍的向上、スマートキーの普及で鍵を差したままの車輌が減少した事などが挙げられる。ただ現在も車輌盗難は確実に発生しており、乗用車が6193件で圧倒的に多く、県別では大阪府(1281件)、愛知県(1038件)で2/3を占めている。次に多いのは商用車の3788件で、千葉県(722件)、茨城県(687件)、埼玉県(464件)が目立つ結果に。今後も政府や警察庁は盗難被害撲滅のため、Nシステムの増強、ヤードと呼ばれる車輌保管場所の抜き打ち検査や周辺道路の監視カメラ増強、自社バンニングにおける実入り通関の厳格化など、さらに監視を強めていく方針だ。減少しているとはいえ、車輌盗難が現状のままなら、車両保険は高止まりし、真面目に輸出業務を遂行している企業の迅速な通関業務や営業を阻害する可能性が有る。自動車盗難に関して、GPSを利用したシステムが威力を発揮すると思われる。
(一部日刊自動車より)