米国債券市場が揺れている。先日米国債券の金利上昇(価格下落)の注意喚起レポートをした直後にNYダウは大暴落し、それに合わせて世界中の株式市場が一気にリスクオフとなったのは、ご存知だと思います。ブラックマンデーを彷彿とさせるまさにフラッシュクラッシュという現象が起きたのですが、これはアルゴリズム自動取引(CTA)が動いたと思われ、今年はこのような事象が度々見られるかもしれませんので、注意が必要でしょう。米国債券に関しては、今年はリーマンショックから10年を迎えることになり、リーマンショック以降から翌年に掛けて大量に発行した債券の償還期限を迎え始めます。さらにトランプ大統領による法人税減税で1兆5000億ドル、インフラ投資などで同じく1兆5000億ドルの新たな債券発行要因に。加えて昨年からFRBがバランスシートの縮小を開始、米国債券の受け皿の一つとなっていた中国は、米国債券から欧州や他の債券に資金を振り分けると公表しており、今後の米国債券市場は波乱の様相を見せると思われ、パウエルFRB新議長は難しい舵取りを迫られるかもしれません。因みに今回の金利上昇(価格下落)によって本邦の地銀が多額の含み損を抱え、損切りを迫られたというニュースもロイターが発表しています。