財務省が発表した貿易統計によると、2017年暦年の中古自動車輸出総台数が128万5909台(除くハーフカット、ノーズカット、部品扱い輸出申告、盗難車)で、その内12万7782台が電動車輌が占めた。財務省は循環型社会構築の下、車載用二次電池の国内再利用や使用素材の再資源化を目指しており、今後の動向中古自動車をさらに注視する意向。

 この事象は2008年以降当サイトで予測し、まさにそのレポート通りの結果となってきている。さらに言うならば、電動車輸出に関して、二次電池回りの輸出のためのハーフカット、ノーズカット、単体は輸出総台数に含まれておらず、実際はもっと多くが輸出されている。2017年暦年の電動車輸出で、HV車が12万2987台、PHV車が757台、EVが4029台、ディーゼルHV車が9台で、仕向け地別で多い順に、モンゴル2万9431台、パキスタン2万162台、スリランカ1万9763台、ロシア1万3279台と続く。EVに関しては、当サイトでレポートした通り、EVを国策化したニュージーランドとロシアの2ヵ国でEV輸出の8割弱を占めた。何度もレポートしておりますが、電動車の分母が増加しているのだから、中古自動車としての電動車輸出が増加するのは当然の帰結であり、この流れは変えられないと思われる。むしろ再利用としての観点のみで考えるならば、輸出される当該国で再資源化ビジネスを構築するか、リサイクル資源として本邦に再輸入するという方法を模索するのも一つの案だと思いますが。

(一部日刊自動車新聞より)