掃除機やヘアドライヤー、空調家電のメーカーとして知られる英国ダイソン社、2020年までに電気自動車(EV)を製造すると、創業者ジェームズ・ダイソン氏が26日に明らかにしました。今後同社はEV開発に10億ポンド(約1500億円)を投資し、動力源となる全固体型電池(先日のレポート参照)の開発に投じるとのこと。この研究開発費は、掃除機やエアフィルターの研究開発支出を大幅に上回る額になり、EVを会社の基幹事業に育てる自身を感じる。ダイソンは、フォルクスワーゲンやダイムラー、トヨタ自動車、テスラなど、すでに多くの企業が競合する分野に参入、現在ほとんどのメーカーがリチウムイオン電池を使用しているが、ダイソンはEVに全固体電池を使用する意向だ。これは、より小さく、効率性が高く、充電が容易で、リサイクルも簡単だと説明しました。

9月19日付けでレポートした通り、本邦も経産省、トヨタ自動車などを中心に同タイプの電池を開発中で、20年代の初めまでに同電池をEVに搭載したいと今年表明していました。リチウムイオン電池がEV黎明期の二次電池とするならば、やはり全固体型電池、リチウム空気電池、ナトリウムイオン電池など、今後数年で二次電池市場が劇的に変わる可能性も高く、EVが普通の移動手段として選択される時代はそう遠くはないかもしれません。EVの市場占有率が一定水準を超えた場合の交通インフラの激変は、後日レポートしたいと思います。

(一部ブルームバーグより記事抜粋)