日産自動車は、新型「リーフ」のパワートレインに新開発のインバーターを搭載、新たに設計した半導体パワーモジュールは裏面に直接取り付けた放熱フィンを水冷にすることで、冷却性能を大幅に向上させている。パワー半導体の素材は変更せずに性能を引き上げ、トルクを従来の250N・mから320N・mにアップ、インバーターの重量も先代から15%軽量化させている。モーターは高回転時の制御を緻密化し、出力を従来の80KWから110KWに向上、モーター自体は旧モデルやHV車「ノートe-パワー」に搭載したユニットを流用し、コスト削減に繋げている。新型に搭載される二次電池は、バッテリー容量を旧型比約30%増の40KW/hに引き上げ、ラミネートセルのエネルギー密度を高めながら薄型化を図った。旧型はセル4枚1組のモジュールとしていたが、安全性を確保しながら8枚1組とし、部品点数を削減、バッテリーパック内でハーネスの取り回しを最適化するなどして、旧型と同サイズに抑え、重量も10Kg増に抑制させた。航続距離と並んで挑んだのがバッテリー劣化の抑制で、コントローラーで制御しながら充電・給電による劣化を抑制し、二次バッテリーの保証期間を8年16万キロに大幅に改善させている。(旧型は5年10万キロ)正極材はコバルト、ニッケル、マンガンの三元系素材に変更、電解液も変更することで高いエネルギー密度を実現するバッテリーを開発した。また新たに開発した「e-ペダル」は、アクセルを緩めると、回生ブレーキと通常の摩擦ブレーキ(通常のブレーキ)を協調制御し、車輌を減速・停止させる仕組み。回生ブレーキでは足りない減速力を摩擦ブレーキで補い、最大減速力は一般道ではやや強めに感じられる0.2Gで、これ以上強い減速にはドライバーのブレーキペダルが必要になる。ブレーキランプは0.7G以上の減速で自動点灯する。プロパイロットパーキングは、4台のカメラと12個の超音波センサーによるセンサーフュージョンで車輌の周辺状況を認識、ECUが情報を高速処理し、ステアリング、アクセル、ブレーキ、シフト、パーキングブレーキを自動で制御する。プロパイロットの進化により、煩わしい駐車時の操作からユーザーを解放する狙い。近い将来、自動車の駐車に関して自動化加速的に広まる可能性も有るかもしれません。

(日刊自動車新聞より)