コンテナの空バン不足が深刻な状況となり、物流に大きな影響が出てきている。日本発アジア向けの航路では、11月下旬の時点ですでに空バン不足を理由に12月のブッキングの受付を停止している船会社もあり、コンテナ船による船積み手配が難しい状況となっている。こうした状況で船会社各社は運賃修復へと動いており、コンテナ船の海上運賃が大幅に上昇している。中古車輸出ビジネスにおいても、U.A.E.、ミャンマー、モンゴル、フィリピンなどコンテナ船をメインに利用して輸出する国もあるため、海上運賃上昇によるコスト増がビジネスにも影響しそうだ。

 コンテナの空バン不足となった原因は、中国の経済活動のコロナ禍からの急回復にあると言われている。新型コロナによる停滞状態から中国がいち早く回復し、中国発の北米・欧州向けの貨物が急激に増大した。これに加えてアメリカなどの輸入先国では、コロナ禍のロックダウンの影響で港湾で作業する人員を減らしており通常通りには作業が進まず、港から内陸部への鉄道の処理も追いつかない状況となった。また、輸入者の空コンテナの返却の遅れなどの要因もあり、貨物の発地国へのコンテナの回漕が間に合わずアジア全域でコンテナ不足の状況となったようだ。

 コンテナの空バン不足の状況は、2021年2月の中国の旧正月あたりまで続きその後は解消されるだろうというのが大方の見方だが、2021年の春先ごろまで続くかもしれないという予想もあり、コンテナ船の運賃上昇、スペース確保に頭を悩ませる日々がしばらく続きそうだ。

 

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