原油価格の下落が止まりません。先物市場では6年ぶりの安値となっており、このまま行けば石油需要が落ち込む春先には30ドル台前半が視野に入ってくるかもしれません。以前レポートした通り、産油国と長期契約が締結されない限り、しばらくは下落トレンドと見た方が良いでしょう。需要と供給のバランスと説明しているアナリストもおりますが、これだけ短期的に需給バランスが崩れるとは思えませんし、明らかに原油相場はバブルだったと見て間違い無いでしょう。またロシア、ヴェネズエラ、イスラム国等を兵糧攻めにするという、別の背景が見え隠れしているというのも有るのかもしれません。商品相場を映す鏡CRB指数も214ポイント台に入り、リーマンショック後の2009年2月末の211ポイントに近づいてきており、この数値を割れてくるようだと商品相場はいよいよ厳しくなるでしょう。これからも原油を始め資源を大量に使用する本邦のような国にとっては、まさに神風となるでしょうが、産油国はもちろん、ブラジルやオーストラリア等の資源輸出国にとっては、逆風となる可能性も有るので要注意です。現にオーストラリアの通貨は、2ヶ月で10%円高に振れてきています。