本日発表になった7月の失業率は3.0%と21年ぶりの低さ、有効求人倍率は1.37倍と完全雇用の近い状況となっています。当然人手不足状態ならば賃金が上昇し、それが消費に跳ね返るのでしょうが、それが全く起きていません。7月の消費支出を見るに前年同月比0.5%減と低迷し、この数字には国内在住の中華系の方々の旺盛な日本製品の海外託送が加味されていませんので、そういう隠れた内需が無ければ、もっと悲惨な数値になったと思われます。背景には2019年に控えた消費税増税が有り、何よりサラリーマン世帯の給料が上がらず、年金、保険、税金などの社会保障費だけが秘密裡に上がっているので、結果可処分所得が減っている訳ですから、消費に回りようが有りません。メディアを使いボーナスが上がっただの、過去最高だの喧伝しておりますが、中小・零細企業ののいわゆる中間所得層はむしろ可処分所得が減っているのが現状です。トリクルダウンは3年経過しても起きなかった訳で、この中産階級の所得を増やす政策を打たなければ、少子化は収まりませんし、何より消費が増えません。結果個人向け耐久消費財の代表である自動車の販売が低迷するという構図になるのです。世界で反エスタブリッシュメントの流れが目立っているのは、そういう中産階級の逆襲だという背景を見る必要が有るでしょう。