鉄鋼・鋳造製品などを手掛ける栗本鐵工所は、2020年を目途に自動車部品の軽量化材料として、鋳造用難燃耐熱マグネシウム合金の開発・実用化に乗り出す。マグネシウムは、鉄やアルミニウム合金に比べて重量を大幅に軽減できる一方、発火し易い特性があるのは何度もレポートした通りで、高温の環境下で使用される自動車用部品での応用はまだまだ限定的になっている。今後材料の配合を工夫することで、摂氏1000度までの耐熱性を確保出来る技術開発に目途を付けた模様。同社が新たに開発する難燃性マグネシウム合金「KEHMA(ケーマ)」は、カルシウム、マンガン、シリコンなどの材料をそれぞれ独自の配合量で混ぜ合わせる。汎用のマグネシウム合金が摂氏700度程度で発火したのに比べ、新開発のKEHMAマグネシウム合金では摂氏950度までの耐火性能を実証したとしている。加えてこの開発品では、これまでの難燃性マグネシウム合金のように、レアアースを使用しないのも大きな利点でしょう。自動車メーカーは、乾いたぞうきんを絞るように燃費改善に努力していますが、軽量化に勝る燃費改善は有りませんので、カーボンファイバー、マグネシウム合金、セルロースナノファイバー等々、今後も軽量化に向けた部材メーカーの戦いは続く。

(一部日刊自動車新聞より)