近年の航空機の素材として注目を浴びる炭素繊維(カーボンファイバー)ですが、当サイトで何度もお伝えしている通り燃費向上のリーサルウェポンとしていよいよ自動車業界にも波及しそうです。燃費や走行性能の向上で車体の軽量化は避けて通れず、今後高級車やスポーツカーを中心に炭素繊維が使われていくと思われます。炭素繊維と言えば東レ、帝人、三菱レーヨン、三菱樹脂が有名ですが、炭素繊維時代を睨みこの度三菱ケミカルホールディングスが、4月1日付けで子会社の三菱レーヨンと三菱樹脂の炭素繊維事業を統合すると発表しました。特性の異なる両社の炭素繊維を組み合わせ、軽さと強度を向上させた製品を開発し、業界最大手の東レを追撃する。 炭素繊維は鉄の10倍の強度が有りながら、重量は1/4という先端素材。三菱ケミカルホールディングスは、自動車向け炭素繊維需要が2020年度には現在の5倍の2万5000トンに拡大すると見込んでおり、独BMWやメルセデス・ベンツ等の欧州メーカー向けを中心に売り込みを強化する予定。今回の統合で新たな工場新設も検討しており、投資額は400億円になるとのこと。因みに帝人も自動車用モノコックの試作品を完成させており、女性二人でも軽々と持ち上げられるほど軽いの最大の売り。現在は衝突時の性能試験等更なる改良を検証しており、同社の今後の出方も気になるところです。