8月下旬に再び40ドル割れした原油先物価格が、サウジアラビアの減産報道の噂で一気に値を戻しつつ有りますが、来年からは経済制裁を解かれたイラン産原油が市場に放たれますから、現状の世界景気の中で再び原油価格が100ドルに戻るというのは、かなり難しいでしょう。イランはサウジアラビアにとって不倶戴天の敵ですから、中東諸国で減産の足並みが揃うとは到底思えません。原油価格の下落は日本のような資源を持たない国にとっては良いのかもしれませんが、行き過ぎると世界経済に波及し、それが結果日本に悪影響を及ぼすと思います。現に原油安に苦しんでいる中近東の産油国は、今までの潤沢に有ったオイルマネー投資資金を自国の赤字補てん用に換金売りをしています。またシェールオイル開発企業のハイイールド債券も金利上昇(価格下落)しており、まさに世界中でカオスとなっているのが今の状況です。