2016年にフォードモータース、2017年にトヨタ自動車とGMホールデンが豪州生産を終了させる予定となっておりますが、現在労使交渉が行われており、先月はGMホールデンが生産ライン従業員一人当たり平均8万5千オージードル、技術労働者は最大10万5千オージードルの解雇手当を支払うことで、合意に至りました。また工場の生産部門で働く従業員は閉鎖に伴い、勤続年数と4週間分の給与に掛け合わせたものに加え、退職金として4週間分の給与が支払われる。また組合側は早期退職も受け入れることとする代わりに、臨時労働者の雇用も認めることとなりました。ただ自動車生産に欠かせない部品のサプライチェーンの崩壊に伴い、撤退時期が早まる可能性も有るとメーカーは示唆しております。記載した通り、オーストラリアは労働組合の力が非常に強く、以前はそこかしこでストライキが乱発し、現在はストライキこそ少なくなりましたが、労働者保護の観点でいまだ強い影響力を持っております。土曜日は1.5倍、休日は2倍、祝日は3倍、その他アーリー、レイト、ナイトアローワンス、有給休暇の完全消化など、労働者保護色が強い豪州国内での製造業は今後も厳しいと思われます。場合によっては、GMホールデンが撤退時期を早める可能性も今後有るかと思われます。