前々回のレポートやマーケットレポートでも記載しましたが、ミャンマー国内で続々と正規ディーラー出店の動きが加速している。現段階では正規ディーラー出店という正規輸入の新車販売の動きだが、来年後半以降はミャンマー国内生産へと踏み切る予定だそうです。

 2011年9月に中古車輸入解禁と同時にティワラ経済特区構想が持ち上がった話はマーケットレポートで配信致しましたが、そのティワラ経済特区で本邦のトヨタ自動車、三菱自動車、日産自動車が名乗りを上げており、それらの企業に付随した部品メーカー、発電関連、インフラ関連が続々と進出する事になると思われます。

 現段階ではタイやインドネシアのような生産拠点になるのか、CKD生産、タイ工業区域との相互生産になるのかは発表されておりませんが、いずれにしろ現地生産が開始される頃までに、何らかの政府発表がなされる公算が強くなってきました。 そこで右ハンドルが禁止になるのか、また中古車輸入が全面禁止になるのか、それとも新たな規制を敷いてくるのか、現段階では不明となっておりますが、現地製造、インフラ整備、輸出事業の促進は今までのミャンマーではしたくても出来なかった訳だから、今回は是が非でも成功させる公算が強く、政府の動向には注視する必要が有るでしょう。中古車輸出業者だけでなく、それを当て込んでオークションに出品されている業者にも、日々の情報更新が必須になるでしょう。 政府のパワーが圧倒的なミャンマーにおいて、継続して中古車の並行輸入をされたいのならば、本邦や現地の中古車輸入に関連している業者連合で、結託して交渉すべきだと思っています。特に現在中古車輸出業者は、それぞれライバル企業である故に中々共同歩調を取りづらいのが現状ですが、ここはスリランカの時のように輸出業者や現地業者と結託して政府と交渉すべき時代が近づいているのかもしれません。 自動車製造メーカーは雇用促進、外貨獲得、インフラ整備を盾に中古車輸入の排斥を訴えると思いますが、中古車輸出入に付随した増大な雇用も存在するというのもまた事実である。中古車の輸出入に携わる企業全てが、交渉のテーブルにつく権利が有ると私は思っております。

(ブコビッチ)