サンデンホールディングスは、世界的な電気自動車(EV)シフトに伴い、今後電動コンプレッサーの需要拡大が見込まれる事から、同事業の強化を図っていく。今後高い静音性という特徴を訴求し、EV開発を加速する欧州、日本の主要自動車メーカーを中心に売り込み攻勢を掛けていく狙い。2017年度は50万台の見込みだが、2020年には150~170万台規模の拡大を目指す。電動コンプレッサーは、従来のベルト駆動型のようにエンジンからの動力を使用せず、電力を使ってコンプレッサーを駆動できるために、EVなどの電動車輌に搭載されている。電動コンプレッサーのグローバル生産体制を拡充するとともに、静音性が高く、運転範囲の広さに充填を置いて製品の開発を進めていく。現在同社の電動コンプレッサーは高い収益性を確保できているが、今後EV車輌が世界的に普及した場合、電動コンプレッサーの汎用化により収益性が悪化するリスクもある。汎用化された場合を見越し同社は、電子部品の購入方法など徹底したコスト管理の下で高い収益性を維持する方針。同社の電動コンプレッサー販売は2016年度比で7割近く増加、2018年度も受注分だけでもすでに80万台を確保し、商談数も増加している。同社の自動車エアコン用コンプレッサー販売比率における電動コンプレッサー比率は2017年度で3%弱だが、2020年度には7~8%台に高まる見通しに。地球温暖化対策として電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の普及は、欧州や大気汚染が深刻な中国・インドを中心に避けて通れない状況となっており、付随する部品メーカーの特需は今後も続くと思われる。

(一部日刊自動車新聞より)