中国で頻繁に行われてきた取り引きの一つの証拠地金取り引きですが、不動産不況の煽りを受けた資源価格の下落でとうとう中国当局による査察が始まってきました。証拠地金取り引きは、銅・アルミ・鉄鉱石などの資材よう地金を担保に中国元(ユアン)を調達して利ザヤを稼ぐ取り引きでここ数年盛んに横行しておりました。中には二重担保で資金調達したり、架空在庫や水増し在庫で調達しているケースも有るそうで、現在当局の査察団が倉庫の実態調査に乗り出しております。不動産バブルの崩壊、理財商品の償還不履行、地金証拠金取り引きの暴落、投資用金地金の下落など枚挙に暇が有りませんが、やはり中国国内で着実に負のスパイラルが連鎖しているとみて良いかもしれません。

銅・鉄鉱石・アルミの輸出に関してブラジルやオーストラリアが有名ですが、中国の影響で商品市況が冴えず資源輸出に依存していた両国で、インフレや製造業の弱体化が進んでおります。中国の影響を色濃く受けるオーストラリアやブラジルへの投資(含む為替証拠金取引FX)は、ドラスティックな動きを見せる可能性が高いので、併せて注意が必要だと思います。