9月28日のOPEC臨時会合でサウジアラビアの譲歩により減産合意がされ、そこから一気に1バーレル50ドル超えまで急上昇した原油価格、しかしその後じりじり値を下げ、トランプ新大統領決定以降も同様の動きとなっています。今月末のOPEC総会で正式に減産が成されるか世界が注目しておりますが、実際には難しいと見るべきでしょう。9月の臨時会合でサウジアラビアが譲歩した背景には、10月にサウジアラビアが起債する予定でしたので、それまでに原油価格を上げたかったということが透けて見えてきます。同国の起債は全て市場で瞬間蒸発し、まんまと大成功を収めたことで、今後同様に取引や株式上場で資金調達を繰り返すと見られ、逆に同国にとって諸刃の剣となる気が致します。深刻なのはヴェネズエラで、ディフォルト懸念のニュースは日常茶飯事、外貨収入の9割が原油に依存しているため、このまま油価が低迷し続ければ同国にとって厳しい状況が訪れるかもしれません。