商船三井が運行するRORO船「フェリシティ エース」が大西洋のポルトガル領アゾレス諸島近くで火災を起こしたというニュースが報道されている。この本船には約4000台のフォルクスワーゲンの自動車が積載されており、ドイツからアメリカへ向けて大西洋を航行中の火災発生だったとのことだ。商船三井のプレスリリースによると、乗組員は全員退避し、本船は現在アゾレス諸島から南方に島から離れるようにドリフトしており、未だ消火が確認されていないとの情報を公開している。

 中古車輸出ビジネスにおいては、昨年からRORO船のスペース不足が深刻になっており、輸出で買い付けた車両を思うように船積みができない状況に悩まされているが、この事故で商船三井が4000台の輸送能力のあるRORO船を1隻失ったことでこの穴埋めで別の航路から船を引き抜いてドイツーアメリカ航路に投入することが予想され、めぐりめぐって日本からの中古車輸出のRORO船のスペース確保がさらに困難になるのではないかと心配になってくる。RORO船のスペース不足が続けば海上運賃のさらなる高騰も避けられない状況になるだろう。どのような影響が出てくるのか商船三井の対応を見守りたい。

 

Bloomberg:独VW車4000台積んだ貨物船が火災ー商船三井が運行

商船三井:自動車専用船"FELICITY ACE"事故に関する情報開示について

 

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