昨日オーストリア・ウィーンにてOPEC総会が開かれ、一部産油国が強く望んでいた減産を見送る方針となりました。今回の総会の結果を受け、WTIの原油先物市場ではとうとう1バレル70ドル割れの69.05ドルまで急落しました。今回減産に強く反対したのはサウジアラビアで、ここ数ヶ月の原油安で財政状況が悪化し、薄利多売をしなければならない状況に陥っているのが透けて見えます。今後は、米国のシェールオイル革命で原油輸入大国が逆に輸出に廻る可能性、欧州・中国の景気後退、PHEVやEV車の普及、燃料電池車の本格化など、原油先物市場から投機マネーの逃避が続くでしょう。原油高が続くとオイルマネーをバックに増長する一部の国々に対して、嫌悪感を抱いていた欧米各国、原油価格が今後下落する(させる)ことで、それらの国々を弱体化させるにも繋がる訳です。オイルバブルは終焉したと見るのが、妥当ではないでしょうか。