本日、10月31日に行われた金融政策の議事録が公開されました。先の会合で決定された量的・質的金融緩和を実施するか否かの投票では、9人中5人の賛成というぎりぎりの人数で決定した訳ですが、金融緩和に賛成票を投じたのは、黒田日銀総裁を筆頭に全て学者や官僚出身の企業系では無い方々でした。マーケット関係者からは実務を判っていないからだという批判をした方たちも多く、デフレ経済からインフレ経済にシフトしたいのは判るが、あまりにも過度な緩和をすれば、出口戦略が極めて厳しくなるという意見です。これに対してノーベル経済学賞を受賞した、米国クルーグマン教授はそれら反対意見を一蹴、今回の日銀の英断を強く支持するとともに、反対票を投じた日銀政策委員会メンバーに対して意見を述べました。今回日本は長らく毒され続けてきたデフレ経済から脱却することに舵を切っている訳で、通常の政策や対策では脱却出来る可能性は低く、反対票を投じたメンバーは企業のリストラなどと勘違いしているのでは無いか?と強い口調で論じました。今回の日銀の金融緩和の成否は、出口戦略の話が出てきた段階で評価されてくるでしょう。