昨日の欧州中央銀行総裁のマリオ・ドラギ氏から驚きの発表がなされました。ユーロ危機以降欧州経済が慢性的なデフレに陥っており、インフレ率が目標の1/4で停滞していることから、このままの状況が継続するなら量的緩和を真剣に考慮せざるを得ないとの事です。政策金利は0.25%で据え置きましたが、量的緩和に関しては非伝統的手段を講じる用意がいつでも有ると発言、それに呼応するように早速ユーロ相場が反応致しました。最近はBRICs諸国の変調やフラジャイル5の問題であまり目立たなかった欧州経済ですが、実態経済はデフレ懸念や失業率は改善したとはいえ以前高水準のままとなっております。さらに来年以降ユーロ危機の際にオペをした期限が迫り、再びユーロ危機再燃の可能性も有る事から、今回の発言となったのでしょう。貿易でユーロ決済は米ドルほど多くは有りませんが、マルタ、キプロス、アイルランド、ドイツなどユーロ高の恩恵を受けて輸出台数が伸びてきた国への輸出は、しばらく注意してインボイス発行、換金をする必要有るかもしれません。極端なユーロ安にはならずとも、利幅が薄い輸出契約の企業には注意が必要です。