トランプ新大統領が決定して以降、米国市場で債券安、株高、ドル高が進行し、25日時点で113円を抜けて参りました。商いの薄い真空地帯を一気に駆け上がった一番の要因は、何と言っても米国10年債利回りの高騰(価格下落)に有り、この利回りが止まらない限り、しばらくドルの独歩高は続くと思われます。輸出業者の為替両替のタイミングは難しいと思われますが、とりあえず米国10年債利回りの推移を見て、換金のタイミングを計るのが当面の策でしょう。日銀が本邦の10年債利回りを0%近傍で固定している以上、米国10年債利回りが高くなればなるほど日米金利差が生まれ、ドル高へと振れる傾向が強くなります。急激に円安に振れている背景には、日米金利差の急拡大とFXや株式先物の踏み上げが有ると思われ、それらが解消されない限りドル高傾向は続く可能性が高いでしょう。さらに市場は、トランプ新大統領が本国投資法第二弾という大統領令を期待しており、それが実施されれば、更なるドル高を誘発すると見込んでいます。(第一弾は2005年、海外で得た利益を本国へ還流させ投資を促すという観点で実施された時限立法で、その場合の法人税35.0%を5.25%にするという特別措置)もしこれが再度実施されれば、ドル買い需要が更にドル高になるという構図。ただ場合によって新興国や発展途上国からの資金流出が更に進んだり、国家財政が脆弱な国のドル建て債務に深刻なダメージを及ぼす可能性があるので注意が必要でしょう。