国・民間を挙げてロシア包囲網が着々と敷かれております。民間格付け会社S&P、フィッチがロシア国債を格下げ、ムーディーズの追随も予想され、今後更なる格下げも成される公算です。ユーロ危機でPIIGSの国債価格の暴落(金利の高騰)で欧州中央銀行の協力なサポートを受けて持ち直しましたが、今回のロシアは事情が違います。IMFも難しいですし、中国も世界経済の仲間入りをしていますし何より自国の方も大変ですから、今回の幕引きは以外に長引く可能性が高いと思います。ただ北・東欧州は先日書きましたが天然ガスの依存度がかなり高く、露骨な制裁は自分達の首を絞めることにもなりかねませんので、難しい対応に苦慮しそうです。ドイツで40%、ラトビア・リトアニア・エストニアのバルト3国、フィンランド、スウェーデンに至っては100%ロシアからの天然ガスに依存しておりますし、ロシアにしても石油や天然ガスの代金は、国家歳入額の半分以上を占めておりすんなり片付くと見る意見も有ります。さはさりながら先進国を中心とした資金の流出によりロシア国債が暴落、デフォルト保険(CDS bp)も上昇、ルーブルも暴落と違う方面から逐次攻撃を受けており、ルーブル下落によるロシア国内のインフレ率が2月は6.2%、3月は7%とインフレ懸念が心配されております。特にロシア危機で超インフレと物不足に悩まされた1998年の記憶が脳裏に刻まれている事から、現地で秘密裏に外貨や金・銀・パラジウム・プラチナ等の現物に切り替える人達も増加中とのことです。中古車の輸出先ベスト3の常連のロシアですが、掛け売りや現地での在庫販売は現状リスクが伴う可能性が出て参りました。