中国政府は大気汚染対策の一環として、2020年までにエタノールをガソリンに混ぜた燃料を全国展開すると発表しました。大気汚染対策と言われておりますが、背景には過去のトウモロコシ備蓄政策によって積みあがった在庫を処分するのが有ると思われます。環境対策と言っても、エタノール混合ガソリンによって既存の大気汚染が劇的に変わるとも思えませんし、NOxに関してはエタノール混合ガソリンの方が多く排出してしまいます。エタノール混合ガソリンは様々な国ですでに導入されており、エタノールの配合比率で表示が違い、3%ならE3、10%ならE10、20%ならE20と表記され、ブラジルではE20が義務化されています。カーボンニュートラルに則して考えれば有効なのでしょうが、大気汚染対策という観点からは結果は未知数だと思われます。ただ場合によっては、世界の自動車大国中国がこの政策を実施するならば、再びトウモロコシ価格は上昇に転じる可能性も有るでしょう。