中国当局は先週、中国国内の銀行やその他の貸し手に対して、海外の投資や企業買収を主とする企業への貸し出しに対し、システミック・リスクを監視するように指示を出しました。対象企業はDALIAN WANDA GROUP CO.,LTD.(ハリウッドの映画会社等の買収)、HNA HOLDING GROUP(ヒルトンホテルやドイツ銀行等の買収)、FOSUN INTERNATIONAL(クラブメッド、シルクドソレイユ、星野リゾートトマム、アーバンインシュランス等)等の世界的に有名になった企業。背景には昨年中国企業による海外企業の買収額が過去最高を更新、それに伴う人民元の流出による外貨準備高の目減りと元安を防止する目的が有ると見られ、今後の動きは影響力が大きいため注視が必要でしょう。

時を同じくして格付け機関のMoody'sは、豪州の主要4行のANZ、ウェストパック、コモンウェルス、ナショナルオーストラリアの格付けを1段階下げました。現在中国の有名な投資企業とは別に、いわゆるチャイナマネーが世界中の不動産市場へ資金が流入しており、現地の人間が不動産を持てなくなってきている国も増加中。今後チャイナマネーの資金が枯渇した場合、少なからず世界的に影響を及ぼす可能性も有ると思われます。