11月25日付けのレポートでお伝えしたべネズエラのディフォルト懸念ですが、原油の減産合意が成されても尚、深刻さが増してきております。先週ベネズエラ政府は突如として、最も流通量が多い高額紙幣100ボリバル・フエルテ紙幣を72時間以内に廃止し500~20,000新ボリバル・フエルテ紙幣に移行すると発表、国民は混乱の極致となりました。発表後、国民はATMに大挙して押し寄せ、我先に新紙幣へ兌換する行動を取りましたが、紙幣の在庫が間に合わず、混乱と恐怖に拍車を掛けてしまいました。政府は期限付き廃止を延長して国民をなだめておりますが、来年はいよいよ厳しい情勢へと向かう可能性が高いでしょう。為替レートは公定レートと実際の換金レートは300倍以上違っており、現地では公定レートが適用されるクレジットカードや銀行決済は行わない、いわば現金・現物主義が通例になっています。年初に訪れた人から話を聞くと、普通に食事をして食事代が80円前後、現在の闇レートだと20円前後で普通の食事が食べられる計算になる。ただ現在のインフレ率は年率約400~500%ですから、結局同じような支払い金額になるでしょう。さらにIMFは来年には2200%に達すると試算しており、国民の苦難は来年も継続しそうです。