自動車関連部材大手のジェイテクトは27日、自動車変速機向けに耐荷重性・低トルク化を両立させる新たな玉軸受を開発したと発表しました。軸受け内部の設計を見直し、軸受けの中心軸に並行に働くアキシアル荷重への耐久性を従来品比1.8倍に高めるとともに、円錐ころ軸受けと比べて損失トルクを最大で50%低減するという画期的な商品。自動車メーカーや変速機メーカー向けに2020年から量産を開始、年間で9億円の売り上げを目指す。これまでの変速機用軸受けとしては、玉軸受けや円錐ころ軸受けが有ったが、負荷の大きい個所に対しては円錐ころ軸受けが使用されているものの、損失トルクが大きいことが課題だった。一方従来の深溝玉軸受けは円錐ころ軸受けに対し、耐アキシアル荷重性が低く、性能を向上させるためには軸受けサイズを大きくしなければならず、必然的にユニットへの搭載性が低下するという問題を抱えていた。新開発した「高アキシアル荷重対応低トルク玉軸受」は、従来の深溝玉軸受に対してアキシアル荷重負荷側の軌道の深さを拡大、耐久性を高めるとともに、外径も10%縮小し、コンパクト化にも成功した。軸受内の油量を制御する保持器を採用したことにより、従来品比で貫通油量を最大で80%、攪拌トルクを最大15%低減するという。 (日刊自動車新聞より)