住友電気工業は、シートフレームなど自動車用プレス部品向けに活用できる、マグネシウム合金を開発しました。材料の鋳造から圧延までの工程で温度制御を最適化することで、従来の鋼板の強度270MPaを上回る330MPaの強度を確保するとともに、訳0%の軽量化を実現させた。高強度・軽量化を両立させる部材として、2020年にも日系自動車メーカーの上級グレード向けに受注獲得を目指し、順次量産車へ採用を拡大させる。マグネシウム合金(AZ91)は、マグネシウムをベースに、アルミニウム9%、亜鉛1%程度を添加し、マグネシウムの耐食性を向上させた材料。今までは板材化すると、圧延加工の際の組織変化でひび割れすることが課題でしたが、これを熱処理の過程で温度調整を適正に制御することで、圧延性と高強度を両立する圧延板材化に成功した。数年前から何度もレポートしておりますが、自動車の軽量化は自動車メーカーにとって避けて通れない登龍門。無尽蔵に有るマグネシウムを利用したマグネシウム合金を、安価で利用しやすくすることが出来れば、企業にとって飛躍するマテリアルになると思われます。

(一部日刊自動車新聞より)