スリランカは5月18日に支払い猶予期限を迎えた一部国債の利払いを実施せず、19日に格付け会社フィッチはスリランカの長期外貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)を「C」から部分的デフォルトを示す「RD」に引き下げた。20日にスリランカ中央銀行のウィーラシンハ総裁も同国がデフォルト状態に陥ったとの認識を表明した。
中古車輸出ビジネスにおいては、2020年5月にスリランカ中央銀行からL/Cの支払いを1年延期するとの方針が一方的に通達され、このころからスリランカは選択的デフォルト状態にあるとみなされていた。2020年の年初の時点ではスリランカ向けはライズの引き合いが好調で輸出用の車両の調達を増やしたところに、3月にL/Cの新規発行停止、5月に発行済みのL/Cについても支払いの1年延期の措置が取られることとなり、輸出できない車両の在庫を抱えて輸出業者にとっては大きなダメージとなった。2020年からデフォルトするまでにスリランカがたどった経過は、貿易ビジネスにおけるカントリーリスクについて考えるケーススタディーになるのではないだろうか。
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