新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場へのストレスを緩和するため、スリランカ中央銀行は自動車の輸入に対する新規L/Cの発行を3ヶ月間停止すると発表した。これによりすでに発行されているL/C分の車両の船積みが終わると6月末まではスリランカ向けの中古車輸出は実質的に止まることとなる。この期間はHAMBANTOTA向けのRORO船の配船も一時停止になることが予想される。

 3月24日にスリランカ政府はコロンボを含む3県(コロンボ、ガンパパ、カルタラ)を新型コロナウイルス感染症の危険地域に指定し、この地域はさらなる通知があるまでは外出禁止とした。外出禁止令の発令でコロンボにある銀行はすでに業務を停止しており、3月24日以降に船積みされた車両のL/Cの処理がすすまない状況になってきている。外出禁止令が解除されて銀行業務が再開するまでは車両代金の決済がされないことが予想されるが、外出禁止令がいつまで続くのか不明で中古車輸出業者の資金繰りに悪影響をおよぼしそうだ。

 2020年前半のスリランカ向けの中古車輸出はスリランカ中央銀行による新規L/C発行停止の決定でほぼ終了で、2020年後半の持ち直しに期待したいところだが、スリランカ経済の主力の観光業が新型コロナウイルス感染拡大の影響でダメージを受けており、景気回復の望みは薄そうだ。

 
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追記(2020/4/3)

 新規L/Cの発行を3ヶ月間停止と発表されていたが、停止期間を6ヶ月~9ヶ月間に延長する方向で調整しているようだ。スリランカ向け中古車輸出にとっては、2020年は厳しい年となりそうだ。

 

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