2020年はスリランカ向けの中古車輸出にとって停滞の年となった。2020年3月末にスリランカで自動車輸入の新規のL/C発行の停止があり、さらにすでに発行されているL/Cについても2020年5月22日以降に船積みされた車両は1年後に代金決済をするという条件を提示されて、ほとんどの輸出業者がこの条件を飲まざるをえない状況に追い込まれた。そして、それ以降はスリランカへの乗用車の輸出は実質的に停止状態となった。このL/Cの支払期限日は2021年5月31日に設定されており、実際に支払いされるのか注目されていた。結果として、5月31日に予定通りL/Cの支払いがされたとの話が聞こえてきており、1年がかりでなんとか代金回収となった。

 スリランカで乗用車の輸入が再開されるとするならばこの分のL/Cの決済が完了してからと見られていたため、今後の輸入再開のタイミングがいつごろになるかが次の焦点となっている。スリランカ国内では乗用車の輸入を1年間停止していたため、ライズ、ヴィッツ、ヤリスなどの1000ccクラスの人気車の在庫が枯渇しており、スリランカの中古車輸入組合では乗用車の輸入再開を早期に決断するよう政府に陳情しているという話だ。仮に輸入再開となれば、2020年1~3月期に大人気だったライズの需要が高まるだろうと見られており、早期の再開を予想してスリランカ用にライズの在庫買いの動きも出始めているようだ。またスリランカで根強い人気のある定番車のプレミオ/アリオンは、すでに生産が終了しており新車ではもう手に入らないため、スリランカの輸入再開で中古車の価格がオークションで高騰する可能性がありそうだ。

 

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