2022年1-3月の中古車輸出先国の順位は、1位:ロシア、2位:U.A.E.、3位:ニュージーランド、4位:モンゴル、5位:タンザニア、6位:チリ、7位:ケニア、8位:マレーシア、9位:フィリピン、10位:タイとなった。2022年1-2月との比較では、マレーシアが6位から8位に順位を落とし、チリ、ケニアがそれぞれ5位、6位と順位を上げた。10位だったバングラデシュが12位に後退し、代わりにタイが10位にランクインした。
ロシア向けは、ウクライナ侵攻でロシア・ルーブルの為替レートが急落したことと、欧米の経済制裁に呼応して主要船社が太平洋側の主要港からウラジオストック向けのRORO船の配船を停止したことで輸出台数が大きく減少するのではないかと予想されていたが、2月との比較では3月は22%程度輸出台数が減少したものの11,477台の中古車が輸出されており、これは1月の10,989台とほぼ同程度の水準と言える結果となった。大幅な減少とはならなかった要因は、当初懸念されていた為替レートと物流の不安要素がそれほど深刻な状況にはならなかったことだといえる。ロシア・ルーブルは一時的に暴落したものの、すぐにウクライナ侵攻前の水準に戻しており金融面での不安要因は一時的なものであった。物流の面ではロシア船による日本海側の港からロシアへ輸送するルートは通常通り稼働しているため、中古車をロシアへ輸送できないという問題はおきなかった。現時点で為替レートはルーブルに対してもさらに円安が進行しているため、ロシアショック的な大幅な輸出台数の減少はなさそうだが、ロシア船の入港禁止やルーブルの為替レートが急落するような事態となれば状況は一転する可能性が高い。ロシア向けの輸出ビジネスを継続するのであれば、引き続き注意が必要となりそうだ。(ロシアの中古車輸出台数)<次のページ>
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