トップ10以外で2016年の輸出実績を見てまず気付くのは、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ボツワナ、モザンビーク、ザンビアなどアフリカ諸国向けの輸出台数が減少していることです。これは世界的な資源価格の下落で資源輸出に依存するアフリカ諸国の経済状況が悪化したことが影響しているように思われます。たとえばザンビアは前年対比-56.22%と大きく台数を減らしていますが、主要輸出品の銅の価格の下落でザンビアの経済状況はよくないといわれています。またモザンビークは前年対比-60.15%と台数を減らしていますが、外貨不足でモザンビーク政府が外貨の送金を制限していますので、海外から商品を買いづらい状況にあるようです。

スリナム、トリニダードトバゴ、ガイアナなど南米諸国も2016年は前年対比で台数を減らしていますが、これも資源安による経済状況の悪化の影響とみるべきでしょう。たとえばスリナムはアルミ原料のボーキサイト、金の産出国で、輸出の8割をこれらの鉱物資源に依存しており、長引く資源安で財政が悪化しIMFに財政支援の要請をしています。ガイアナはスリナムの隣国でスリナムと同様にボーキサイト、金の産出国で、トリニダードトバゴは輸出の8割を石油と天然ガスに依存しており、資源安の影響を受けやすい国であるといえます。

そのほかではスリランカが前年対比で-58.97%、タイが-50.20%減少しています。スリランカは輸入規制のルールの変更の影響、タイは関税の上昇と国王死去による自粛ムードで経済活動が萎縮したことが影響したとみられます。

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