フィジー向け輸出が今年の3月頃から急伸しており、9月も前年同月比395.8%増の471台となりました。ただ今までの数字がかなり低かったため、増加と言っても500台未満では有ります。今回はフィジーで中古車輸入停止を発表した事による駆け込み特需ですが、事前に情報を入手した企業は一気に台数を稼げたと思います。このように他社や他人が中々手を出さないマーケットを手に入れるのが、中古車輸出の醍醐味ですし、利益率も高くなります。元々フィジーのマーケットは、ニュージーランドやオーストラリアからの農産物等の食糧輸入が多く、同時に中古車の輸入も行われてきた経緯が有ります。ただここ数年両国のたび重なる内政干渉を受けて関係が冷え込んでいたため、本邦の良質で安価な中古車の台数増加に繋がったと思われます。

 船舶配船の兼ね合いで今月から台数が急減するとは思いますが、元来フィジー、パプアニューギニア、パラオ等の南方諸島は、塩害によるボディの痛みが早いため、定期的に車輌の入れ替えをする必要性があります。そういう地政学的な事象により、数年後に中古車輸入が再開される公算が強いかもしれません。ただこのエリアは船社が限定されているため、輸送コストがべらぼうに高いのがネックで、この問題を改善出来れば両国にとって利益を生むのですが…。

(ブコビッチ)