中国での景気後退のレポート昨年初めから何度かさせて頂いていますが、中国の自動車ディーラー団体が発表した2014年度新車自動車販売白書で、ディーラーで販売された55%の新車販売に関して利益が出ていない事が明らかになりました。特に顕著なのは高級車を扱うディーラーで、63%が利益を出せていない。背景に有るのは各メーカーの過剰生産による膨大に積み上がった在庫圧力の高まりで、昨年度のメーカー側の在庫係数は最高でも0.78ですが、対してディーラーの在庫係数は1.3~2.2で推移。ディーラーとは2~4倍の開きがあり、一部ブランドのディーラーでは、在庫係数が10を上回る有様。同団体は、在庫の高まりがディーラーの経営コストを拡大させており、乗用車を扱う多くのディーラーで赤字経営を招いているとのこと。現状多くのディーラーは、新車販売からもはや利益を得られず、運転資金の充当を自動車メーカーからの補助金に依存している状態に。ただメーカーからのインセンティブは、ノルマを達成しなければ支給されないために、更に値下げをして赤字で販売するという悪循環に陥ってそうです。

(日刊自動車新聞より)