日銀による量的・質的緩和の影響で日銀による強烈な国債買い付けによって、国債の価格が高騰(利回り低下)しておりましたが、1月20日を境に国債価格が下落(利回り上昇)しております。この要因として、1月20~21日に掛けて開かれていた日銀金融政策決定会合の内容が、市場予想に反した内容だったために、年度末となる3月を睨んで利益確定売りが大量に出たと見られます。 昨年3月前後に0.65%近辺で取り引きされていた本邦10年物国債が、1月20日のザラ場で0.195%まで買われましたから、そこで決定会合を機会に確定売りに出たというのが、長期国債の価格下落の要因でしょう。 {仮に0.65%で購入された長期債券が0.2%時に売りに出した場合、(0.65-0.20) ÷ 0.1 x 1% = 4.5% となり、100億円の長期国債を保有していれば、4億5000万円が利益となる。} その後1月22~23日に再び国債価格の上昇(利回り低下)しましたが、翌週から2月13日まで再度価格下落(利回り上昇)が続き、13日には0.425%まで金利が上昇(価格下落)しています。このまま金利上昇(国債価格下落)は、短期の市場の混乱を誘発する可能性も否めませんので、注視すべきでしょう。明確な景気回復により緩やかに上昇に転じている訳でも無く、日銀が強烈な買い付けをしているにも係わらずこの国債価格下落、やはり気になります。当面の臨界点は、昨年3月の0.6%前後だと思われます。