財務省が発表した2013年度の通関ベースの貿易統計が、比較可能な1979年以来過去最悪の13兆7488億円となったことを発表、赤字は東日本大震災の有った2011年から3年連続となりました。貿易赤字の大きな要因はやはり原子力発電所稼働停止による天然ガス輸入の増加が挙げられ、このままの状態が続けば本邦の製造業にも重大な影響を与えると思います。震災以降の天然ガス輸入増大により、いわゆるジャパンプレミアムというスポット料金を払わされ、しかも天然ガス先物価格は高止まりしたままとなっており、国家財政や製造業に致命的な影響を与えつつ有ります。このような場合通常は急激な円安に見舞われるのですが、本邦は海外への貸付、投資、資産などで利益を得ているいわゆる経常黒字国となっており、その影響でこのような発表が有っても急激な円安圧力とはならないのです。
レポートで再三企業の海外流出が続いているとお伝えしていますが、矮小化する本邦マーケットが理由の一つでは有りますが、実は天然ガス価格の高騰と輸入増による電力料金の大幅な上昇が大きな要因なのです。今後も同様の形態が続けば、本邦製造業の空洞化はますます進むでしょう。