先月世界銀行はロシアの今年度経済見通しを、昨年発表した2.2%のプラス成長からマイナス成長へ変遷すると発表し、ロシア国内で動揺が広がっております。ロシア政府自身は2.5%のプラス成長を見込んでおりますが、すでに海外に7兆円もの資金流出が確認され、今年度の流出額は15~20兆円にも達すると言われており、予断の許さない状況は続きそうです。ロシア国債の入札は不調が予想され政府の意向で国債入札が何度となく延期され、ロシア長期国債10年物の利率があのギリシア国債の利回りの倍に当たる9.15%という事です。ロシアから流出した資金は、欧州の国債や日米欧の株式市場に投下され、特に欧州危機の引き金となったPIIGSの国債価格が上昇(利回りの低下)してきているのは、皮肉な結果と言えます。このままの状況が続けば海外のみならず、ロシア国内からも資金の流出が発生する可能性も高く、混迷を極める可能性も有るでしょう。対ロ輸出に際しては、現状石橋を叩いて渡る貿易決済をお薦め致します。