猛威を振るっている新型コロナウイルス、世界経済の停滞を見越し保険的役割を担うVIX指数が爆謄したのは先日レポートした通りです。VIX指数が爆謄すると、リスク資産のぶん投げが始まり、マイナーなソフトカレンシーの通貨、株式、投資不適格債が売られるのはもちろん、利が乗っている資産である国債や金も売らざるを得なくなったのが3月中旬の事象でした。その後ゆっくりと戻り基調では有りますが、新型コロナウイルス蔓延前と後で様相が劇的に変化してきているのが、とりわけ為替市場、原油市場でしょう。今回は皆さんのビジネスに直接影響を及ぼす為替市場の変化を見ていきたいと思います。(パーセンテージはおおよそと思って下さい。)
(年初から3月までの為替市場における対米ドルの推移)
(アジア市場)
ロシア・ルーブル 25.5%下落(原油価格の大幅下落)
インドネシア・ルピア 18.5%下落(天然ガスと対中輸出の大幅減)
韓国・ウォン 11%下落(COVID-19直撃、輸出大幅減)
タイ・バーツ 10.3%下落(世界的な需要減)
マレーシア・リンギット 8.8%下落(LNG価格の下落、世界的な需要減)
シンガポール・ドル 8.3%下落(一部巻き戻し)
フィリピン・ペソ 4.6%下落(首都閉鎖、通貨防衛で外貨両替規制も)
モンゴル・トゥグルグ 2.7%下落(貿易相手国上影響は軽微)
香港・ドル 1.2%下落(ドルペッグを敷いているので影響は軽微)
(中央アジア)
パキスタン・ルピー 8.7%下落(通貨というより政策の影響が大きい)
スリランカ・ルピー 6.2%下落(外貨流出に備え、L/C新規発行を停止)
バングラデシュ・タカ 0.65%下落(影響軽微だが、外貨流出対策を実施)
(オセアニア)
オーストラリア・ドル 21.5%下落(過去最低金利で資金流出加速、資源国通貨のためその影響も大)
ニュージーランド・ドル 19.5%下落(一気に75bpの緊急利下げを断行、過去最低金利を最低でも12ヵ月継続するとの事で、資金流出加速)
(欧州)
ユーロ 5.2%下落(COVID-19パンデミックにより、一時ユーロ売り)
英国・スターリングポンド 14%下落(COVID-19とBREXITが重なる)
(アフリカ諸国)
南アフリカ・ランド 27.5%下落(高金利通貨だがリスクオフで逆回転)
ザンビア・クワチャ 26.6%下落(資源価格下落の影響大)
ボツワナ・プラ 15.0%下落(世界経済の低迷により資源価格が下落)
ケニア・シリング 6.2%下落(観光収入も多いため影響は軽微)
タンザニア・シリング 1.2%下落(観光と近年は金価格の上昇で、安定)
(南米)
ブラジル・レアル 25.1%下落(資源価格、特に鉄鉱石の影響大)
チリ・ペソ 14.8%(銅や鉱物価格の影響大)
ボリビア・ボリビアーノ(レアメタルの影響で通貨は安定、ただ現在国境閉鎖中)