大同メタル工業(7245)は、日産自動車が年内に量産する予定の可変圧縮比技術を搭載した「VC-T」エンジンの、エンジン用軸受一式を受注したと発表しました。今回受注した軸受けは既に量産開始しており、生産拠点も順次グローバル展開していく予定。「VC-T」エンジンはエンジンの主運動系にマルチリンク機構を採用、運転シーンに応じて圧縮比を変化させることで燃費を低減させる。熱効率はガソリンエンジンでは最高水準となる約40%、マルチリンク機構は、ピストンとクランクシャフトを繋ぐコネクティングロッドに代えて三つのリンクで構成するマルチリンク機構をモーターで駆動、ピストンが上下する位置を制御し圧縮比を無段階に変化させる。マルチリンク機構ではエンジンケース内にリンク構造一式を収める必要が有るため、部品寸法や形状が制約を受けて軸受に掛かる負荷や潤滑が厳しくなる。今回同社が独自に開発した鉛フリー材料を適用し、一部の部品は軸受の形状を工夫することで、耐久性と信頼性を確保することに成功させた。
(日刊自動車新聞より)