トヨタ自動車のフラッグシップモデルと言っても過言では無い、King of VANのハイエースシリーズ、1967年10月の発売から50周年という金字塔を打ち立てました。これまでの「ハイエース」と兄弟車「レジアスエース」合わせて633万台と、他の追随を許さない素晴らしい成績に。
1967年~77年に掛けて発売された初代ハイエースH10系は、日本初のキャブオーバーバンとして発売、ビルトインフレーム式モノコックやスライドドア等の当時の新技術を取り入れた。途中エンジンの改良、マイクロバス仕様の投入など、顧客のデマンドに遅滞なくカイゼンを施し、ピープルムーバーとしての新たな地位を確立させた。
1977年~82年の2代目H20~40系は、車輌のさらなる進化とともに昭和53年排ガス規制に適応させた21R-Uエンジンや、オイルショック対策として、ディーゼルエンジンを投入するなど、これまた時代に合わせて俊敏にモデルを改良し人気を博した。
1982年~1989年の3代目H50系は、経済成長の拡大とともにより高品質化が図られ、第二次ベビーブーマー世代を子供に持つ世帯から人気が有った。
1989年~2004年の4代目H100系は、まさに不動の地位を築いたとも言えるモデル。バブル経済下でのフルモデルチェンジで、パワースライドドアを初設定するなど、ラグジュアリー仕様、多目的、商用、まさに全方位体制で作られたモデルで、新車はもちろん中古自動車の国内外販売で圧倒的な人気を博した。エンジンもRZ型、TR型、L型、KZ型といまだにエンジンだけでも欲しいという業者は世界中にいるほど、世界中に旅立っていったモデル。
2004年から現在まで販売されている5代目H200系は、更なる進化を遂げ国内や東南アジアを中心に一人勝ちを続けている、まさにKing of VAN(WAGON)となっている。国内モデルは商用車に特化しているためバンの販売が65%となっているが、茲許のインバウンド人気やキャンピング需要で、ワゴンの人気も復活している。ただ世界中であまりにも人気があるため、盗難率が非常に高く、任意保険料の設定金額が高い。現行モデルは発売からすでに14年目に入っているが、国内で月7000台、海外で月9000台平均の販売となっており、相変わらずの人気ぶりだ。以前日産NV350でキャンプ需要の取り込みをしてみては?との記事を何度か書きました。その点流石トヨタで、来年からハイエースのアウトドアライフを提案する「ハイエースフィールド」を展開する予定に。ユーザーの話に真摯に耳を傾けるトヨタ自動車、行動が早い。