茲許自動車用ヘッドランプ、テールランプを始め、様々な自動車用光源としてLED化されつつあり、今後EVを始め搭載車輌増加を見込んで、ランプメーカー各社で研究開発が加速している。現在世界で生産されている自動車の7割がコスト面からハロゲンランプが主流となっており、ランプユニットのコストを抑制出来れば、世界生産の7割という大きな果実を得ることが出来る。現在のLEDヘッドランプは、ヒートシンクや電動ファンで冷却しているが、発光素子の裏側に熱伝導性の高い素材を組み合わせた放熱性の高い発光チップを開発するなど、光源自体の発熱を抑制することで、補機類を省きコストを抑えていく。さらに先進国で今後主流になる可能性が高い電気自動車(EV)にとって、航続距離を長く保つためにヒーターやライト類の節電は欠かせないため、LEDが採用される可能性が非常に高い。また先進運転支援システムの一つである、ヘッドライトの照射範囲や光量を自動で制御する「配光可変型ヘッドランプ」は光源がLEDだからこそ出来る先進技術なのだ。一方ランプメーカー各社は、新たな光源としてアウディ「TTRSクーペ/ロードスター」のテールランプに採用された、OLED(有機発光ダイオード)にも注目して研究開発を進めている。ただ現状OLEDは、熱や湿気に弱く光が拡散するために、ヘッドランプに使用するには集光レンズが必要となり、課題は山積している。ただOLED光源が実用化されれば、フルカラー表示が可能ばかりか、3次元曲面を使った立体構造や、薄型化した発光体を並べうろこ状のデザインなど、LEDでも不可能な様々なデザインを構築することが出来る。LED、OLED、有機ELなど、自動車用ランプの研究開発は相当激化すると思われる。
(日刊自動車新聞より)