自動車基幹部品大手のケーヒンは、チェコの生産拠点において、VW向けに空調用コンデンサーの生産能力を増強する。生産ラインを増設して2018年度に稼働、供給数を1~2割増やす。現在は2つのラインをフル稼働させて需要の増加分に対応させているが、ラインを増設することにより、より安定的に生産出来る体制を構築させる。同工場のVW向け製品は、VWの生産台数の4割をケーヒン製コンデンサーが担うまでに成長しており、生産能力を増強することで更なる販売増を狙う。
欧州の生産子会社「ケーヒン・サーマルテクノロジー・チェコ」では、VWグループからの受注増により、土日も3直で生産する、文字通りフル稼働状態が続いている。今後VWからの受注車種が増加する見通しであることも踏まえ、今回の設備投資を決定した。ケーヒンのVWとの取引は、2012年に昭和電工から自動車用熱交換器事業を取得したことから開始、現在はチェコの他中国、メキシコの各拠点からもコンデンサーを供給、3拠点でVWの世界生産の4割に当たる年間400万台分の供給を担っている。中国では2014年にすでに第2工場を稼働させて生産能力を増強させている。同製品は海外自動車メーカー向けでは他にフォード・モーターへの供給も増えており、主要取引先のホンダ以外のメーカーとの取引を今後も積極的に増やすことで、将来に向けた事業基盤を確立していく方針。
(日刊自動車新聞より)