日本精工は、タイヤに掛かる荷重をセンサーで計測できる「積載荷重センサー」を開発しました。主に海外市場向けに小型商用車の過積載を防ぐツールとして完成車メーカーに提案する他、乗員や荷物の搭乗・積載状況に応じてブレーキの効き具合を変え、制動距離を短くするなど、車輌統合制御センサーとしての用途も想定している。開発品は、油圧室やピストンなどを納めた円盤状の本体を中心に、円筒状の圧力センサーを組み込み4輪サスペンションコイルばねのトップにマウントする仕組み。圧力センサーが荷重を受けると柔軟なダイアフラム(薄膜)が変形、油圧室の圧力が上昇、この圧力変化からそれぞれのタイヤに掛かっている荷重を正確に計測する。運転席のモニターに積載量を表示したり、過積載の警報に活用できるとのこと。過積載防止ディヴァイス以外にも、重量変動が大きい商用車の統合制御への応用も視野に入れ、荷物の積載状況、乗員数など、重量の計測データを自動車の制御に活用することで、制動距離が短くなるようにブレーキの効き具合を変えたり、トランスミッションの変速タイミングの最適化、パワーステアリングのアシスト調整量など、走行性能の向上や省燃費運転などに役立つという優れものだ。海外、特に新興国や発展途上国において、商用車の過積載事故は後を絶たないのが現状だ。このシステムで100%防ぐ事は難しいかもしれないが、過積載抑止の観点から考えると、大変素晴らしい製品に違いないでしょう。
(一部日刊自動車新聞より)